ワールドカップレポート
ダウンヒル DH 2009年3月11日
■■ 競技レポート ■■
2009 IPC障害者アルペンスキー・ワールドカップ・ファイナル
韓国で行なわれた「2009 IPC障害者アルペンスキー世界選手権大会」(2月19日~3月1日)において、合計12個のメダルを獲得した日本チーム。次なる戦いの地は、2010年バンクーバー・パラリンピックのアルペンスキー会場であるウィスラーです。ここで開催される「2009 IPC障害者アルペンスキー・ワールドカップ・ファイナル」は、今季の総合チャンピオンが決まるシリーズ最終戦。しかも、一年後に迫ったパラリンピックのプレ大会でもあり、本番と同じコースが使われるとあって、その重要性は一層高まっています。
大会は、まずダウンヒル(滑降)の公式練習からスタートしました。初体験のコースを慎重に見極めながら滑る日本選手に対し、地の利を活かしてすでに充分な攻略を済ませているカナダチームは、圧倒的ともいえるアドバンテージを練習初日から見せつけます。そもそもダウンヒルは、長い滑走距離と速いスピードが不可欠なため、日本の環境では練習が難しい種目。しかし、そんな不利な状況にもかかわらず、日本選手は素晴らしい活躍を見せてくれました。
2日間の練習を経て臨んだ今日のレース本番で、圧倒的なパフォーマンスを披露したのが、女子座位の大日方邦子。練習で得た経験を本番の滑りに見事に昇華させ、2位を4秒以上も引き離し、文句なしの優勝を果たしました。大日方は、1998年の長野パラリンピックでこの種目の金メダルを獲得し、さらに2006年トリノ・パラリンピックでも銀メダルに輝いている実力者。先シーズンはケガに泣かされ、今シーズンも序盤はなかなか調子が上がりませんでしたが、久しぶりに本来の持ち味を取り戻し、表彰台の中央に帰ってきました。
また男子座位でも、公式練習から好調ぶりを発揮していた狩野亮が3位に入賞。かねてより「ゴールすれば速い」と言われて、安定感に課題を抱えていた狩野ですが、今季は世界選手権でも大回転の銀メダルを獲得するなど、大事な局面できっちりと結果を出してきています。この勢いを来年のパラリンピックにつなげることができれば、メダル争いに加わることは間違いないでしょう。
明日は、2種目目のスーパーコンビが行なわれます。引き続き日本選手の活躍にご期待ください。
| 【女子座位】 | ||
| 1位 | 大日方邦子 | 株式会社電通パブリックリレーションズ |
| 2位 | ローリー・スティーブンス | アメリカ |
| 3位 | クラウディア・ロシュ | オーストリア |
| 【男子立位】 | ||
| 1位 | ゲルト・シェーンフェルダー | ドイツ |
| 2位 | キャメロン・ラルス・ラブラ | オーストラリア |
| 3位 | ミヒャエル・ブルッガー | スイス |
| 12位 | 小池岳太 | セントラルスポーツ |
| 23位 | 井上真司 | 菅平高原スキークラブ |
| 24位 | 三澤 拓 | 順天堂大学 |
| 【男子座位】 | ||
| 1位 | ジョシュア・デュエック | カナダ |
| 2位 | クリストファー・デブリン・ヤング | アメリカ |
| 3位 | 狩野 亮 | 株式会社マルハン |
| 8位 | 森井大輝 | 富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 |
| 10位 | 鈴木猛史 | 駿河台大学 |
| 17位 | 山本光文 | 名豊観光株式会社 |
| 18位 | 谷口 彰 | 株式会社相模組 |
| 23位 | 夏目賢司 | 白馬八方尾根スキースクール |
| ※出走棄権 | 青木辰子 | |
■■ 選手コメント ■■
大日方邦子(女子座位1位)「表彰台の中央からずっと遠ざかっていたので、こうして勝つことができて、応援してくれた皆さんにまずは感謝したいです。ダウンヒルは、日本チームとしてはトレーニングが充分にできていない種目なので、勝つのはすごく難しいと思っていました。だから今日は、今の自分のできる限りの滑りをしようとだけ考えてスタートしました。2010年に開かれるパラリンピックのプレ大会で勝てたことは、来年に向けて、自分自身にも日本チームにも弾みをつけることができたのではないかと思います」
女子座位で優勝を果たした大日方邦子

男子座位で3位となった狩野亮

メダルを手にして笑顔の大日方と狩野

■■ 障害者アルペンスキー・ワールドカップとは ■■
毎冬、世界各国の会場を転戦しながら行なわれている最高峰のシリーズレース。順位に応じて1戦ごとに与えられる得点によって、シーズン総合のチャンピオンを決定する。
■■ 大会概要 ■■
【期間】2009年3月9日~3月14日
【会場】ウィスラー(カナダ)
【大会日程】
3月9日 ダウンヒル(滑降) 公式練習
3月10日 ダウンヒル(滑降) 公式練習
3月11日 ダウンヒル(滑降)
3月12日 スーパーコンビ(スーパー大回転+回転)
3月13日 ジャイアントスラローム(大回転)
3月14日 スラローム(回転)/ 閉会式
【参加日本選手】
青木辰子(女子座位/株式会社キッツ)
大日方邦子(女子座位/株式会社電通パブリックリレーションズ)
田中佳子(女子座位/エイベックス・エンタテインメント株式会社)
三澤 拓(男子立位/順天堂大学)
井上真司(男子立位/菅平高原スキークラブ)
小池岳太(男子立位/セントラルスポーツ)
狩野 亮(男子座位/株式会社マルハン)
谷口 彰(男子座位/株式会社相模組)
夏目賢司(男子座位/白馬八方尾根スキースクール)
森井大輝(男子座位/富士通マイクロエレクトロニクス株式会社)
鈴木猛史(男子座位/駿河台大学)
山本光文(男子座位/名豊観光株式会社)
